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2010年6月14日 (月)

安全登山活動

30日、夕方と言うには早い時間に一人の高齢の登山者が、蛭ガ

岳にいきたいので、今日は此処にとまって、明日、蛭ガ岳に行く予

定だ。と、小屋に腰を下ろして、間もなく足がつって大変な苦しみに

なった。歩くのをやめると、血流が滞って体が冷えて筋肉が収縮し

やすくなると、小屋番の指導員が説明し、明日は蛭ガ岳はやめた

ほうがいいでしょうという判断を下して、薬を渡して下山する。少し

も寒く無いと言い張る彼の体調を考えて掘りコタツに火を入れる。

食後しばしの後又足がつる。こんなことは、初めてだと不思議が

る。ホカロンと、シップ薬を渡し早めに休んでもらう。

  明朝素晴らしい朝焼けだった。4時頃外に飛び出し、

「お客さん、凄い日の出ですよ。私は山頂に行ってきます」

と小屋を後にしつつ、振り返ると、小屋の外に宿泊者の姿が見

え、たちまち小屋の中に消えた。

「あ!これは駄目だ」

と、その時、小屋番の職務において、ひとつの決断をした。それ

は山に来る人間と言うのは好奇心と、冒険心の固まりだ、それ

なのに、この景色に歓喜して、私も頂上にと言う動きをを見せ無

いということは体力気力の低迷だ。登山をするという本来の状態

から没落しているということだ。何とか蛭ガ岳にいかせたいと思っ

たが、これで決断。山頂から帰り、食事の支度をして、

「I さん今日は体調が回復しないようですから引き返してください」

というと

「はい、夕べ又攣って寝付けないで困りました、桧洞丸と蛭ガ岳の

間だけ歩いていない、どうしても歩きたくて、何とかと思ったが、や

っぱりやめます」

と記念写真を撮って確認、いい男だ!と喜んで帰っていった。

「いいですか、長く休まないでください。休まずにゆっくり歩いてくだ

さい。景色を見るときは、歩きながら見ないで5秒から10秒ぐらい

立ち止まってみてください。長く休むと又攣りますよ」と同じことをく

り返す。緊急時には、冗談は駄目。簡潔に、必要なことを、くり返

す。パニックに成っている人間は自失状態に成っているから、同

じことを念を押すように、くり返して伝える。

//////////

 5月23日の本降りには塔ノ岳から縦走してきたフランス人、裸

の上に合羽着たほうがいいのでは? と言ほどのずぶぬれ。片言

に日本語で靴下を乾かしたいのだという。

Simg_2648

自炊場に案内しバーナーたいて乾かしているところを断って、ぱち

り。外人はサービス精神が旺盛。ポーズをとる。

「どうせぬれるんだから絞ってはいちゃえば?」と内心思えど本人の

こだわりだ。ところが靴下が乾いても、全身ずぶぬれだから、ストー

ブのそばを離れたら、ガガガガガーと見事な歯の根も合わない震え

方。

「あのフリース、フリース・・・くれちゃえ!」と小屋の不用のフリースを

出し、

「あげる。ただ。ただ」とだしてやる。押し売りされるのかと心配させる

のもかわいそうなので、ただ!を強調する。

「あったかーーーい,ありがとう」

入り口で気を付けをし、最敬礼して出て行った。遭難さわぎは実に嫌

だ。ふと気がついたら、うちの知り合い常連さんは山で死んだ者が一

人もいない、小屋で泊まった登山者も遭難した人は居るが死んだ人

は一人も居ない。49年の長きにわたって、内外に一人もいないとい

うのは珍しい。こんなことが、誇りになるとしたら、山小屋として、もし

かしたら最高の栄誉かもしれない。ささやかな積み重ねが何十年と

続けば大きな形になる。

  青ケ岳山荘内の御祭神?に感謝!転がり落ちた人を引き上げ

るのも活動だが、当然、引き上げたこともあるが、転ばぬ先の杖が

もっと大事だ。気を引き締めていこう。

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