« 見慣れぬ景色 | トップページ | 今の天気 »

2010年10月 1日 (金)

忘れられない閲覧者①

 ありがたいことに、グリーンハウスで写真展をしたときに、中日の

頃、午後だった。一人の小柄で、やや腰の曲がった年配の男性が

やってきて、写真を見るというよりも片っ端から、持っているデジカ

メでパチパチ写真を撮り始めた。その勢いはなに?と思わせるの

に充分だった。とても不思議に成って、

「こんにちは、ようこそおいでくださいました。写真を撮ってどうされ

るんですか?」と聞くと

「カラオケのママさんにミシテアゲルンデス」という。

Ssimg_1012

「ママさんは写真が好きで、いそがしくているから、撮っていってミシ

テアゲルンデス」

「まぁーそうですか」

「ママさんは街がシャッター通りにならないように月、40万も家賃を

払って、本当に忙しく働いているんです、ママさんは偉いんです」

「わぁー40万の家賃!。すごいですねー、みんな一生懸命頑張って

いるんですよねー。人も、山も、町も・・・皆一生懸命なんですよね、

ママさんを応援してください。街のために頑張ってください。私は山

のために頑張ります、もし良かったら、署名おねがいします」

「私は字がかけない、代わりに書いてくれ」

「いえ、だんなさんでなければ駄目です。だんなさんの文字が尊い

のです。だんなさんの命が尊いようにだんなさんが書く文字が尊い

のです。誰もだんなさんの代わりに死ぬ事も生きる事もできませ

ん。だんなさんの命は、誰の物でもないだんなさんの物です。文字

だってそうですよね」

「ん」彼は少年のように、こっくりとうなずき、帳面に向かって非常に

長い時間をかけて、必死に書いてくれた。

Ssimg_1008

「飾る必要は何もないですよ、そのとおり思った事で良いんです」

やや雑談の後に、指し出した寄贈の月刊誌を

「いいの?ほんとうにいいのか?」と遠慮しつつ、お持ちになっ

た。山の荒廃には何の興味もないようなお方であった。然し、彼

が残していった教訓は山のように高く、海のように深かったと感

じる。それは直接あって話して始めて伝わる、物かもしれない。

きっと語っても、伝える能力が私にはないか知れない。彼には

私にはない、美しい心と、素直さがあった。人をあれこれ詮索しな

いまっすぐさが有った。其処には多くを与えすぎない神の配慮さえ

感じた。思い出すたび、涙がにじむ。人ををこれほどひたすらにさ

せる、そのママさんがどれほど人を大切に扱っているかと言うこと

も察しられた。木の根がひっくり返ったような写真を見て、果たして

喜ぶ人が居るのかと、思わぬでもないが、求める人の役に立ちた

いというその姿勢に、ママさんは感謝するのだろう。そういう地域

だから、そういう人が居るから、人は頑張れるしやさしくなれる・・・

・・・・。色々な人と出会い、人とふれあい、何かを感じる。それは、

再び逢えない山の絶景のような物か知れない。

 変った写真ですね。皆さんの写真は綺麗な景色ばかりなのに。

Img_1080

熱心に見てくださったお方のお言葉でした。皆さんありがとう。

« 見慣れぬ景色 | トップページ | 今の天気 »

ボランティア」カテゴリの記事

最近のトラックバック

カテゴリー

2020年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ